蓄熱式脱毛とは|仕組み・効果からメリットデメリットまで解説

脱毛サロンを選ぶ際に、脱毛費用や脱毛範囲に注目して選ぶ方が多いかと思います。しかし、脱毛サロン選びでは、「脱毛方法」に注目して選ぶことも大切です。脱毛はすべて同じ方法で行っているわけではないので、脱毛方法の特徴や違いを把握してから選ぶことで、より自分に合った脱毛サロンを選択できるでしょう。

この記事では、蓄熱式脱毛の仕組みや特徴、脱毛効果について解説していきます。蓄熱式脱毛をするメリットデメリットなども紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

蓄熱式脱毛とは

蓄熱式脱毛とは、出力の低い光やレーザーを繰り返し照射し、じっくりと熱を加えることで脱毛効果を促す脱毛方法です。蓄熱式脱毛はサロンでもクリニックでも受けられますが、蓄熱式脱毛のメリットやコストの安さを重視するなら、サロンでの脱毛がおすすめです。

この記事ではサロンで受けられる蓄熱式脱毛の効果やメリットデメリットにも言及しますが、まずは蓄熱式脱毛の仕組みと特徴から解説していきましょう。

仕組み

サロンで受けられる蓄熱式脱毛は、毛の生える種となるバルジ領域に熱を与えて毛を生えなくさせていく脱毛方法です。従来の脱毛方法は毛根に熱を与えることで今生えている毛に作用するのが一般的でした。蓄熱式脱毛は毛根よりも浅い位置にあるバルジ領域に光を当てるので、従来よりも低い温度で十分なダメージが与えられて、火傷などの肌トラブルのリスクを軽減できます。

また、蓄熱式脱毛はこれから生える毛に作用するため、今生えている毛が抜け落ちたりすることがありません。毛が抜けないからといって、すぐに効果がないと判断してしまわないように注意してください。

特徴

サロンの蓄熱式脱毛は、照射する光の出力が低いのが最大の特徴です。この特徴のおかげで、蓄熱式脱毛では以下のようなメリットが得られます。

  • 光を照射した時にほとんど痛みを感じない
  • 肌にかかる負担が少ない
  • パワーを必要としないため光を照射できるスピードが早い
  • 肌トラブルを起こすリスクが低い

デメリットとしては、すぐに効果が表れない、導入しているサロンがあまり多くないことが挙げられます。詳しくは蓄熱式脱毛のデメリットで解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

熱破壊式との違い

熱破壊式脱毛との違いは、照射する光やレーザーの出力とターゲットとする組織にあります。

蓄熱式は出力が低く、ターゲットとする組織は毛の生成指令を出すバルジ領域です。対して熱破壊式は出力が高く、毛乳頭や毛母細胞といった毛を生成する組織をターゲットとしています。

熱破壊式は照射する光やレーザーの出力が高いという特徴から、施術時に痛みを感じやすく肌トラブルを起こすリスクもあるという点に注意が必要です。その一方で、毛を生成する組織にダメージを与えられるため、毛が生えにくくなる効果を早く実感しやすい点が大きな魅力です。

熱破壊式脱毛については、「熱破壊脱毛とは?蓄熱式との違いや効果、メリットデメリットを解説」の記事をご参照ください。

蓄熱式脱毛の効果

サロンの蓄熱式脱毛に期待できるのは、毛が生えにくくなる抑毛効果です。毛の生成を指令する組織や指令物質、その周辺の組織にダメージを与えられるため、新しい毛が生成されにくくなります。

では、抑毛効果はどのくらいで得られるのでしょうか。ここでは、蓄熱式脱毛で脱毛を完了するまでにかかる回数と期間について解説していきます。

脱毛完了までにかかる回数

従来の脱毛方法 蓄熱式脱毛
効果を実感した回数 5〜8回 6~9回
自己処理がいらなくなるまでの回数 8〜10回 9~12回
ツルツルの肌になるまでの回数 10~18回 12~18回

 

サロンの蓄熱式脱毛で、産毛のないツルツル肌になるのにかかる回数は12〜18回程度です。効果を実感するまでは6~9回、自己処理がいらなくなるまでの回数は9~12回を目安に考えておきましょう。

蓄熱式脱毛は毛が抜け落ちる感覚がないので、従来の脱毛方法よりも効果を実感するまでに時間がかかる傾向です。しかし、脱毛完了までに必要となる回数には違いがないので、多く通わなければいけないのかという心配はあまり必要ないでしょう。

脱毛完了までにかかる期間

従来の脱毛方法 蓄熱式脱毛
効果を実感した期間 半年〜1年 3ヶ月〜4ヶ月半
自己処理がいらなくなるまでの期間 1年〜2年 4ヶ月半〜6ヶ月
ツルツルの肌になるまでの期間 2年〜3年 6ヶ月〜9ヶ月

 

サロンの蓄熱式脱毛で脱毛が完了するまでは、1年かからない程度を目安として考えておくと良いです。もちろん、スケジュールが合わなくてなかなか通えなかったなどの事情がある場合は、上記の表で紹介した期間よりも長くなる傾向があります。

従来の脱毛方法に比べて脱毛完了までにかかる期間が短いのは、蓄熱式脱毛は最短2週間に1回のペースで施術を受けられるためです。従来の脱毛方法は、毛の生えるサイクル(毛周期)に合わせて施術をしていたため、2〜3ヶ月の期間を空けて照射をする必要がありました。

しかし、蓄熱式脱毛は毛周期に関係なく脱毛可能とされているので、脱毛期間を長く空ける必要がありません。

 

脱毛完了までにかかる回数・期間については、「脱毛は何回くらいで効果を実感できる?回数や期間を解説」の記事をご参照ください。

蓄熱式脱毛のメリット

蓄熱式脱毛には、以下のようなメリットがあります。

  • 痛みが少ない
  • 施術間隔が短い
  • 産毛の脱毛も可能
  • 日焼け肌にも受けられる
  • 敏感肌でも脱毛可能

脱毛をするにあたって、施術時の痛みや脱毛完了までの期間の長さ、日焼け肌を気にする方は多いのではないでしょうか。サロン選びにも役立つ、蓄熱式脱毛の5つのメリットを見ていきましょう。

施術の痛みが少ない

蓄熱式脱毛は、施術の痛みが少ないというメリットがあります。照射する熱の温度が従来の脱毛方法よりも低いため、照射に伴う痛みがほとんどなく、じんわりとした温かみを感じる程度で脱毛を終えられるほうが多いです。

脱毛する部位によって多少痛みの感じ方は異なりますが、耐えられないほどの痛みを感じることはないでしょう。痛くない脱毛を求めるなら、サロンで蓄熱式脱毛を受けるのがおすすめです。

施術の間隔が短い

先ほども解説しましたが、蓄熱式脱毛なら最短2週間に1回という短い間隔で施術を受けられます。脱毛完了にかかる12回の施術を2週間に1回のペースで受けられれば、約半年で脱毛を完了させることが可能です。毛の生え方や肌の調子で施術間隔が長くなる可能性はあるものの、従来の脱毛方法より早く脱毛を完了させられるでしょう。

産毛まで脱毛できる

蓄熱式脱毛は、ワキやVIOなどの濃く太い毛だけでなく、産毛も得意とする脱毛方法です。従来の脱毛方法は毛の黒いメラニン色素に反応して光を照射するため、メラニン色素が少ない産毛への効果が薄いです。顔や背中、二の腕、太もも、お腹などの毛が薄い部位の脱毛を検討している方は、蓄熱式脱毛を検討してみると良いでしょう。

日焼け肌にも脱毛できる

蓄熱式脱毛なら日焼けした肌への脱毛も可能です。日焼け肌は肌にメラニン色素が沈着している状態なので、従来の脱毛方法で施術をすると、肌のメラニン色素に強く反応して火傷をしてしまうリスクなどがあります。そのため、日焼けの状態が酷いと施術を断られるケースもありました。

しかし、蓄熱式脱毛はメラニン色素に影響されることなく施術ができるので、生まれつき肌が色黒の方でも、夏の日焼けが抜けにくい肌の方でも脱毛を受けられます

敏感肌でも脱毛できる

蓄熱式脱毛は出力の低い光を使用するため、敏感肌の方でも安心して脱毛できます。従来の脱毛方法に比べると施術時に痛みを感じにくい他、施術後に赤みやかゆみが出るといった肌トラブルにも悩まされにくいです。

敏感肌では場合によって出力を下げられるケースもありますが、蓄熱式脱毛なら出力を下げられる心配が少なく、普通肌と同様の回数と期間で脱毛を終えられるでしょう。

蓄熱式脱毛のデメリット

蓄熱式脱毛にはたくさんのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。蓄熱式脱毛でよく取り上げられるデメリットは以下の2つです。

  • 効果を実感しにくい
  • 導入しているサロンが少ない

2つのデメリットについて見ていきましょう。

効果を実感しにくい

これまでにも少し解説しましたが、蓄熱式脱毛は効果を実感しにくいというデメリットがあります。今生えている毛に作用する従来の脱毛方法は、施術後1〜2週間程度で毛が抜け落ちていきます。そのため、施術の効果があることを比較的早く実感できるでしょう。

しかし、蓄熱式脱毛はこれから生えてくる毛がだんだんと薄くなっていく方法です。じっくりとムダ毛の状態を見ていないと、効果になかなか気が付かないということもあります。

ただ、効果を実感しにくいだけで、従来の脱毛方法も蓄熱式脱毛も、最終的に求められる脱毛効果は同じです。デメリットとしてよく取り上げられるポイントではありますが、そこまで気にしなくても良いでしょう。

導入しているサロンが少ない

蓄熱式脱毛は魅力的な脱毛方法として注目されていますが、実は導入しているサロンはまだまだ少ない状況です。住んでいる県によっては蓄熱式脱毛を導入しているサロンがなかなか見つからないということもあるでしょう。

また、サロンを選べても予約をとりづらい状況が続く可能性も考えられます。蓄熱式による脱毛を検討する際は、住んでいる県や通えそうな近隣県に蓄熱式脱毛を導入しているサロンがあるかどうかを、まず調べておくと良いかもしれません。

蓄熱式脱毛に向いている人の特徴

以下のような特徴がある人は、蓄熱式脱毛が向いています。

  • 痛みの少ない脱毛にこだわりたい
  • 少しでも早く脱毛を完了させたい
  • 産毛や細い毛を脱毛したい
  • 日焼け肌や生まれつきの色黒肌
  • 刺激に反応しやすい敏感肌

蓄熱式脱毛なら、諦めていた脱毛、断られてきた脱毛が実現させられるかもしれません。上記で取り上げた特徴が当てはまる方は、蓄熱式脱毛を検討してみてはいかがでしょうか。

蓄熱式脱毛を行う際の注意点

蓄熱式脱毛を受ける場合は、下記の3つの点に注意をしましょう。

  • 施術前日までにシェービングを行う
  • 施術後はしっかりと保湿を行う
  • 体温が上がる行動は控える

脱毛をはじめる前に知っておきたい3つの注意点を解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

施術前日までにシェービングを行う

蓄熱式脱毛に限った話ではありませんが、脱毛を行う際は、施術日の前日までにシェービングを行うようにしてください。

シェービングを忘れると、スタッフにシェービングをしてもらう必要があり、脱毛にかけられる時間が少なくなってしまった、シェービング代を取られてしまったということになりかねません。場合によっては、施術を断られるケースもあります。

また、事前の自己処理をする際は、肌トラブルを起こさないよう電気シェーバーを使用するのがおすすめです。

施術後はしっかりと保湿を行う

蓄熱式脱毛は肌へのダメージが少ない脱毛方法ですが、脱毛後は肌が熱を持っており、水分が蒸発しやすい状態です。放置していると乾燥が進んでバリア機能が低下し、痛みやかゆみ、赤みなどの肌トラブルにつながる可能性があります。

そのため、脱毛後はサロンで行ってもらえる保湿に加えて、自宅でもしっかり保湿を行いましょう。施術後だけでなく日常的にもしっかりと保湿を行い、施術時の光が届きやすい柔らかい肌質にしておくことも大切です。

体温が上がる行動は控える

脱毛施術を受ける前後は、体温が上がる行動を控えなくてはいけません。体温が高いと肌に熱が溜まって、施術で肌トラブルを起こすリスクが高くなってしまうためです。

脱毛後に関しても同様で、乾燥が進んでバリア機能が低下し、痛みやかゆみが出てきたり、赤みやブツブツができたりする可能性もあります。安全に脱毛施術を受けられるよう、またトラブルのないきれいな肌を維持できるよう、飲酒や激しい運動、入浴、日焼けは避けるようにしてください。

蓄熱式脱毛に関するよくある質問

最後に、蓄熱式脱毛に関するよくある質問を3つ取り上げて紹介します。

  • 永久脱毛はできる?
  • VIO脱毛に効果はない?
  • 蓄熱式の家庭用脱毛器はある?

蓄熱式脱毛に関する疑問点がある方は、ぜひ参考にしてください。

永久脱毛はできる?

サロンで受ける蓄熱式脱毛には、永久脱毛は期待できません。高い効果が期待できる医療レーザー脱毛とは違い、サロンの蓄熱式脱毛は光によるアプローチをするため、数年後には毛が生えてしまう恐れがあります。

しかし、「永久脱毛」と謳われている医療レーザー脱毛も、永久的に生えないことが保証されているわけではありません。AEA(米国電気脱毛協会)が提唱している永久脱毛の定義は、「最終脱毛をしてから1ヶ月後の毛の再生率が20%以下」であることです。

医療レーザー脱毛でも今後必ず生えないことが保証されているわけではないので注意してください。

VIO脱毛に効果はない?

蓄熱式脱毛は、VIOにも脱毛効果を発揮できる脱毛方法の1つです。VIOは脱毛完了までに時間がかかるとされていますが、主な理由としては下記の2つが挙げられます。

  • 毛が濃く太く密集しているので光が届きにくい
  • デリケートな部位なので出力を下げて施術をすることが多い

蓄熱式脱毛は肌へのダメージが少ない施術を行っているため、光の出力を下げずにそのまま施術できる人がほとんどです。他の脱毛方法よりも痛みや肌トラブルへの心配が少なく安心して施術を受けられるため、スムーズに施術を進められるでしょう。

蓄熱式の家庭用脱毛器はある?

現在のところ、蓄熱式の家庭用脱毛器はほとんど出回っていません。IPL脱毛とSHR脱毛をかけ合わせたモデルはあるものの、選べる機種は限定的であり、かつ海外メーカー品です。

蓄熱式脱毛が自宅でも可能なら家庭用脱毛器を選びたい方が多いかもしれませんが、期待できる効果や使用方法、故障した際の保証など不安が多い点に注意しなくてはいけません。

現状からすると、蓄熱式脱毛をするならサロンを選んだほうが良いでしょう。

まとめ

蓄熱式脱毛は、出力の低い光やレーザーを繰り返し照射し、熱をため込むことでダメージを与えて毛を生えにくくさせる脱毛方法です。

もし、施術時の痛みや、脱毛完了までにかかる期間の長さなどが気になるなら、サロンの蓄熱式脱毛を検討するのがおすすめです。蓄熱式脱毛のメリットを得られるだけでなく、脱毛にかかるコストを安く抑えつつ、理想とするツルスベ肌を手に入れられるでしょう。

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