サロンやクリニックでの脱毛を検討している人の中には、「脱毛の間隔はどれくらいあけるのが良いのか」、「なぜ脱毛は間隔をあけて行わなければいけないのか」という疑問を抱えている人も多いでしょう。
この記事では、脱毛の施術で間隔をあけなければいけない理由、脱毛方法や脱毛部位ごとの施術の間隔などを解説していきます。効率的に脱毛したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
脱毛は間隔をあけて施術をしなければいけない理由は?
脱毛を早く完了させたい場合、「短期的に集中して通って早く脱毛効果を得たい」と思ってしまう人もいるでしょう。しかし、短期集中的に脱毛を行うのは、サロンでもクリニックでも推奨されていません。
では、なぜ脱毛は間隔をあけて行わなければいけないのでしょうか。ここでは、脱毛で間隔をあける理由について、詳しく解説していきます。
脱毛に通う間隔は毛周期に関係している
「毛周期」とは、「体毛が新しく生え変わるまでのサイクル」です。一般的には、毛が生え変わるまでには2~3ヶ月ほどかかるとされています。
毛周期に合わせて脱毛を行うと脱毛の効果がより高まるので、間隔をあけて毛周期に合わせたサイクルで行うことが推奨されているのです。
「なるべく最短で効果を出したい」のなら、がむしゃらに通い詰めるのではなく、毛周期に合わせたペースで通うのが1番の近道になるでしょう。
1回の施術で効果があるのは全体の20%
毛周期には、以下の3つのサイクルがあります。
①休止期
②成長期
③退行期
4つの周期のうち、脱毛の効果が期待できるのは成長期の毛のみです。休止期と退行期においては、毛にメラニン色素があまり存在しないため、レーザーの届く範囲が浅く、あまり脱毛効果が期待できないとされています。
この成長期の毛が占める割合は全体の約20%です。そのため、1回の施術で効果があるのも、全体の20%だと考えられています。施術を受けた後、体毛がまだらに残ったり、スルッと抜ける毛とそうではない毛で差が出てきてしまうのも毛周期が関係しているのです。
脱毛は間隔があきすぎても効果に影響はない
脱毛は毛周期に合わせて間隔をあけた方が良いというのは理解していただけたかと思いますが、同時に「脱毛の間隔をあけすぎても良くないのではないか」という疑問を持ってしまう人もいるでしょう。
脱毛に通い始めたものの、人気のサロンやクリニックでは予約が取りづらく、思っていた頻度で施術が受けられなかったというケースは珍しくありません。
ですが、基本的に間隔があきすぎてしまってもそこまで効果に大きな影響はありません。成長期の毛が次々に生えてくる初期はできるだけ毛周期を意識した方が良いですが、数回通ったら施術の間隔があいてしまっても効果に影響はありません。
毛周期を無視して脱毛の施術を行うとどうなる?
毛周期が脱毛にとって重要というのは理解していただけたかと思いますが、毛周期を無視して脱毛の施術を行うとどうなるのでしょうか。ここでは、毛周期を無視して脱毛を行った場合のデメリットを2つ解説していきます。
- ムダ打ちが増える
- 肌トラブルを起こしやすくなる
「ムダ打ち」と「肌トラブル」、それぞれについて詳しく説明していきます。
ムダ打ちが増える
「ムダ打ち」とは、成長期ではない退行期や休止期の体毛にレーザー等を照射してしまうことです。適切な間隔で施術を行わなければ、このムダ打ちが起こります。
サロンやクリニックによって契約の形態は異なりますが、〇回で〇円というような回数が固定されたコースになっている場合、限られた回数の照射が無駄になってしまうリスクが高いです。
肌トラブルを起こしやすくなる
脱毛の施術直後は肌が乾燥するため、肌のバリア機能が低下する傾向にあります。基本的に、適切なペースで施術を行い、プロの管理のもと保湿やクールダウンといったケアを行えば、肌トラブルのリスクを軽減することが可能です。
しかし、あまりにも施術の頻度が高いとケアが追いつかず、赤みやかゆみ、ニキビといった肌トラブルを起こしやすくなります。肌トラブルのリスクを軽減するためにも、毛周期に合わせて通うようにしましょう。
脱毛方法によっても通う間隔は違う
近年、脱毛の需要が高くなったことから、サロンやクリニックでさまざまな種類の脱毛方法が取り入れられています。
それぞれの脱毛方法によって適切な間隔は前後するため、ここではそれぞれの脱毛方法の特徴と適切な施術の頻度を紹介していきます。どの施術方法が良いのか悩んでいるという人は、ぜひ参考にしてみてください。
光脱毛
脱毛サロンで主に取り扱われているのが「光脱毛」です。フラッシュ脱毛とも呼ばれ、比較的低価格で施術を受けられることから人気の方法となっています。また、施術にともなう痛みが少ないため、痛みに弱い方でも受けやすい施術です。
光脱毛は、さらに「IPL脱毛」「SSC脱毛」「SHR脱毛」という3種類の方法に分かれます。これら3種類は使用するマシンが異なるので、見ていきましょう。
IPL脱毛
「IPL脱毛」は、メラニン色素に反応する「インテンスパルスライト」を使用し、毛母細胞や毛乳頭を破壊する脱毛方法です。光脱毛の中ではもっともメジャーで、取り扱うサロンが多い施術になります。照射範囲の広さや痛みの少なさが人気で、痛みに弱い人や敏感肌の人にもおすすめです。
デメリットとしては、日焼けやほくろがある範囲には照射できない、産毛に対する効果が低いことなどが挙げられます。IPL脱毛の場合、一般的に通う頻度は2~3ヶ月に1度です。
SSC脱毛
「SSC脱毛」は、「スムーススキンコントロール脱毛」の略称です。脱毛したい箇所にジェルを塗り、「クリンプトンライト」を照射するという施術方法になっています。このジェルには毛が生えるのを抑える働きがあり、毛穴や黒ずみを綺麗にしながら脱毛を叶えられるとして、美肌目的でも人気です。産毛などの細い毛にも対応できます。
デメリットは、取り扱っているサロンが少ない、効果が実感できるまでに時間がかかるなどです。SSC脱毛の場合、通う頻度は最短で2週間に1度なので、短期間で通えます。
SHR脱毛
「SHR脱毛」は、「スーパーヘアリムーバル脱毛」の略称です。毛根のメラニン色素に働きかけるIPL脱毛に比べ、SHR脱毛は毛包部分にあるバルジ領域に働きかけます。成長期だけでなく、退行気・休止期の体毛にも関係なく使用できるという画期的な方法で、近年人気が高いです。また、強い日焼けやほくろがある箇所にも問題なく照射できます。
比較的新しく登場した脱毛方法なので、長期的な脱毛効果があるかのエビデンスが少ないという点がデメリットです。SHR脱毛もSSC脱毛と同様、通う頻度は最短で2週間で1度となっています。
医療脱毛
医療脱毛はその名の通り医療機関でのみ受けられる施術です。施術を行う側は、国家資格を有していなければいけません。サロンは施術に資格が必要ないので、しっかり技術の裏付けがある人に担当してもらいたい人は医療脱毛を選択する傾向です。
光脱毛と比較して費用が高額になる場合がほとんどですが、短期間で確実に効果を実感したい場合は医療脱毛の方が向いています。医療脱毛は、熱破壊式脱毛・蓄熱式脱毛・ニードル脱毛の3種類があります。
熱破壊式脱毛
熱破壊式はIPL脱毛よりも出力の高いレーザーを肌へ照射し、毛が生える基盤である毛乳頭と毛母細胞を破壊します。熱破壊式脱毛の中にも、以下の3種類のマシンがあります。
- アレキサンドライトレーザー
- ダイオードレーザー
- ヤグレーザー
これらの違いはレーザーの波長の長さで、アレキサンドライト・ダイオード・ヤグの順により波長が長くなり、肌の深部にまでレーザーが届きます。熱破壊式脱毛は、ワキやVIOといったメラニン色素の強い部位の毛に特に適応があり、剛毛の人におすすめです。
熱破壊式脱毛の場合、通う頻度は1ヶ月半に1度が目安になります。
蓄熱式脱毛
蓄熱式脱毛は、毛根ではなくバルジ領域を破壊する脱毛方法です。脱毛の仕組みとしてはSHR脱毛と共通していますが、クリニックの場合は使用できるマシンの出力がより強くなります。
蓄熱式脱毛はじわじわと細胞を壊していくため、熱破壊式脱毛と比較すると回数を重ねる必要がありますが、産毛などの細い毛にも対応が可能です。顔・背中・うなじ・指など幅広く脱毛したいという場合には適しています。産毛を処理すると肌にハリが出たり化粧乗りが良くなるという声が多いため人気の施術です。痛みも熱破壊式より少ないという特徴があります。
蓄熱式脱毛の場合、通う頻度は1ヶ月半に1度が目安になります。
ニードル脱毛
「ニードル脱毛」とは、絶縁針という針を毛穴1つ1つに刺して電気または高周波を流すという脱毛方法です。一気に広い範囲に処置を施すのではなく、1つ1つの毛穴にピンポイントで針を指すため効果を感じやすいのが最大の特徴です。1度処置を施した毛穴からは二度と毛が生えることはないと言われているため、定期的に通う必要もありません。
しかし、効果が高い分施術時間が非常に長く、痛みもかなり強いです。あまりの痛みに、途中で断念する人も一定数います。また、かなり技術が必要な施術になってくるため、費用も他の方法に比較して高額になってきます。
脱毛する部位によっても通う間隔が変わる
身体部位によって毛周期や生えてくる毛のメラニン色素の多さが違ってくるため、脱毛する部位によっても通う感覚はバラつきがあります。部位ごとの毛周期と脱毛ペースをまとめたのが下記の表です。
部位 | 毛周期 | 平均ペース |
ワキ | 2~3ヶ月 | 7回 |
VIO | 1.5~2ヶ月 | 5回 |
顔 | 1~2ヶ月 | 8回 |
足 | 1.5~2ヶ月 | 5回 |
脱毛効果を実感できるようになるまでの期間は?
サロンやクリニックに通い始めても、効果が実感できないと「あとどれくらい通えばいいのか」と不安に感じてしまうかもしれません。その不安を解消するために、光脱毛・医療脱毛ごとに効果を実感するまでの期間の目安をお伝えします。
光脱毛
サロンでの光脱毛の場合、5回程度から効果を感じ始める人の割合が大きくなります。メラニン色素が多い部位は早めに効果が表れますが、産毛は時間がかかりやすい傾向です。
よって、2~3ヶ月に1回のペースで通う場合、効果を実感できるまでに1年ほどかかる計算になります。光脱毛は医療脱毛に比べてマシンの出力が弱いため、どうしても効果を感じるために期間を要する傾向にあります。
医療脱毛
クリニックでの医療脱毛の場合、3回程度で効果を感じる人が多いです。期間でいうと半年程度でしょう。医療脱毛は毛が生える細胞そのものを破壊するため、早い段階で効果を実感できます。ただし、これは熱破壊式脱毛の場合の回数です。蓄熱式脱毛なら、さらに数回程度回数を重ねる必要があります。
脱毛効果を少しでも高めるためには?
脱毛効果を少しでも高めるためにはどうすれば良いのか、ここでは、脱毛効果を高めるための方法を3つ紹介していきます。
- 適切な自己処理
- 肌の保湿
- 日焼け対策
施術前のムダ毛処理については有料でお任せできるクリニックやサロンが増えているので、自分で行うのが面倒だという場合には利用してください。
自己処理で毛抜きや脱毛ワックスを使用しない
施術前にムダ毛を剃るとき、次に施術を受けるまでの間に生えてきた毛が気になって自己処理を行うときは、毛抜きや脱毛ワックスは使用しないようにしましょう。
これらは毛根から毛をなくしてしまうため、光脱毛やレーザー脱毛などのメラニン色素を利用する方法の場合、効果が下がってしまいます。カミソリも肌を傷つける恐れがあるので、1番おすすめなのは電気シェーバーです。
施術前後はしっかりと肌を保湿する
施術前後の肌の保湿も非常に大切です。肌をしっかりと保湿することは、脱毛による赤みやかぶれといった肌トラブルから肌を守るだけでなく、脱毛の効果を高めるためにも重要なケアになります。
また、施術後はとにかく肌が乾燥しやすくデリケートなため、保湿にはなるべく保湿効果が高く、刺激が少ないものを選ぶようにしましょう。
日焼けをしない
日焼けした肌にも効果がある脱毛方法であれば別ですが、IPL脱毛やレーザー脱毛の場合は日焼け対策をしっかり行いましょう。日焼けの程度によっては施術自体ができなくなってしまう可能性も考えられるので、注意してください。
また、日焼けは紫外線によって肌にダメージが与えられた状態ですので、その上で脱毛をするとかなり肌に負担がかかります。脱毛期間中は日よけグッズや日焼け止めを活用して、しっかり日焼け対策を行ってください。サロンやクリニックによっては、あまり強い日焼け止めを推奨していない場合もありますので、詳しくは担当者に相談することをおすすめします。
脱毛に関するQ&A
脱毛の間隔について詳しく解説しましたが、まだまだ疑問に思う点が残るという人もいるでしょう。ここでは、脱毛に関する質問にQ&A形式でお答えしていきます。
家庭用脱毛器で脱毛する場合も間隔を開ける必要はある?
家庭用脱毛器を使用して脱毛を行う場合、照射の間隔は完全に自己判断です。しかし、家庭用脱毛器はサロンのマシンに比べて出力が弱いといっても、光脱毛であることには変わりはありません。
2週間に1度程度が目安ですが、メーカーなどによっても異なるので、家庭用脱毛器に付属している説明書で推奨されている頻度を参考に行うようにしてください。
家庭用脱毛器の誤った使い方による、火傷などのトラブルも報告されています。しっかりと説明書を読んでから、施術を行うようにしましょう。
毛周期が乱れて脱毛効果が得られなくなる可能性は?
毛周期は基本的に乱れることはあまりありませんが、ホルモンバランスの乱れなどによってサイクルが狂ってしまう可能性があります。
そのため、脱毛サロンやクリニックでは妊娠期間中などのホルモンバランスが乱れやすい時期の施術は推奨していません。
また、睡眠不足や過度の飲酒といった生活習慣の乱れでも毛周期が乱れることがあるので、注意してください。
まとめ
一般的な光脱毛やレーザー脱毛は、毛周期に従って脱毛をするのが一番効果が高いです。そのため、1回施術を行ったら2〜3ヶ月の期間をあける必要があります。早く脱毛を完了させたいからといって毛周期を無視して通っても、ムダ打ちが増えてしまったり肌トラブルのリスクが高くなってしまったりと、良い結果は得られません。
脱毛の効果を高めるためには、毛周期に従って施術を行うのが1番の近道です。また、自己処理には電気シェーバーを活用する、脱毛期間中は特に保湿や日焼け対策に力を入れるというのも効果的でしょう。脱毛の施術を行う際には、ぜひ記事を参考にしてください。